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2016年12月2日号

市長コラム

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年の瀬に思う、めぐり合わせと成長の糧

市長 穂積 志(もとむ)


今年もいろいろありましたが、何と言っても新庁舎オープンが1番のトピックスです
 今年も師走を迎え、新しいカレンダーや家計簿、日記帳のことを考える季節になりました。中には年賀状を作成中というかたもいらっしゃるのではないでしょうか。市役所も新年度予算の編成作業を本格化させると同時に、来春、組織として新たなスタッフを迎えるための新規採用職員の選考をほぼ終えたところです。
 市長就任以来、幾度となく経験していることですが、人を選ぶということは大変難しいことと感じています。選考にあたっては、筆記試験や適性試験、一次面接を経て、私をはじめとする幹部の最終面接で決定するのですが、受験者の真剣さや緊張の度合いが、面接する立場にもひしひしと伝わってきます。特に優秀な受験者が多いときには、できることなら予定の枠を超え、全員を採用したいと思うときがあります。ところが現実的にはそうはいかないため、最後は本当に苦渋の決断をしなければなりません。
 振り返ると昭和56年のことになりますが、まったく逆の立場で私も秋田市役所の採用試験に向き合っていました。当時は、長洲一二神奈川県知事が「地方の時代」という言葉を提唱したことなどもあり、中央集権から地方分権へと世の中が大きく動き始めていた頃かと思います。私も地方行政や地方政治の世界に身を置きたいと考えていたことから、市役所を受験することはごく自然な流れだったのです。結果は不採用でした。一次試験の書類選考と筆記試験は通ったのですが、最終の幹部面接で落ちてしまいました。
 その後、落選するなどの紆余曲折もありましたが、市議会議員や県議会議員を経て、今は市長として地方創生や人口減少対策に取り組んでいることを考えるとき、本当に人生のめぐり合わせの不思議さと奥深さを感じます。もし、あのとき市役所職員に採用されていたら、今この職にあったかどうかもわかりません。
 今回たまたま採用に至らなかったかたには、どんな経験も次の成長の糧になり得るということを、先輩風を吹かせるようで申し訳ないのですが、強く伝えたいと思います。
 さて秋田市政、今年は新しい総合計画や「秋田市人口ビジョン」「秋田市まち・ひと・しごと創生総合戦略」などがスタートし、10月には、日本女性会議に全国から2千人を越えるみなさんが秋田に集まるといったこともありました。
 いよいよ今年もあとわずかとなりましたが、やり残したことはありませんか。ひと月あればやれることは案外たくさんあります。私も来年に持ち越さないよう、今からでも一つひとつの事柄に取り組んでいきたいと思っています。寒さも日一日と厳しくなっていきますが、みなさん健康にご留意され、よい年をお迎えください。


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