※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2018年4月6日号

市長コラム

日本の花 桜へのおもい

市長 穂積 志(もとむ)

3月22日、被災地への派遣職員激励会で。引き続き新年度も、4人の市職員を宮城県石巻市・気仙沼市・岩沼市に派遣しています

暑さ寒さも彼岸までと言われますが、南北に長い日本列島、桜前線が北上し今頃は各地で開花宣言が出されている頃でしょう。秋田の桜ももうそこまで、待ち遠しい季節の到来です。
 そんな頃合いを見計らっていたかのように、先頃約百年ぶりに桜の新種が見つかったという報道がありました。紀伊半島南部に群生する野生種で、三重県や和歌山県南部に自生していることから、熊野の地名をとって「クマノザクラ」と命名されました。新種の発見は大正4年のオオシマザクラ以来ということです。
 日本人の心情と桜というのはよほど相性がいいのか、桜のことになると、どうしてこんなに夢中になってしまうのでしょう。何かにつけて話題にして楽しんでいます。私にとっても、毎年毎年眺める桜を思うとき、必ずそのときの心象風景が重なって見えます。喜びや高揚感の中であったり悲しみにうちひしがれていたりと、風景はさまざまです。人生の大きな節目、入学式や入社式などと重なるときもあります。東日本大震災が起きた年の春もまたしかり。その後、被災地を訪れた際に目にした、健気に復旧・復興に取り組む姿は今も胸に刻まれたままです。
 そして政治家になってからは選挙と重なることもしばしばです。「今年も桜が咲きました。私にとってはひときわ目にまぶしく、特別の意味を感じます。…市民一人ひとりが来年の春も、またその次の春も、しあわせに桜を眺めることができるように市政運営に努めてまいることが、私の得た天命と考えています」。これは平成21年の4月、市長初当選後この広報あきたに載せたあいさつです。
 桜は、その時々の心模様を映しこむ不思議なスクリーンを持っているのかもしれませんね。このコラムのタイトルにした「日々初心」、この気持ちをいつまでも忘れてはいけないと改めて肝に銘じた次第です。
 さてこの号が出る頃は黄色い帽子をかぶった新1年生が大きなランドセルを背に、一心に小学校をめざして歩いていることでしょう。桜もそうですが、道端から顔を出した秋田県の花でもあるフキノトウも香り豊かで季節感にあふれた植物です。秋田にとってはまさに“春の使者”。そのフキノトウが根を張り葉を広げ、やがては立派な蕗に育っていくように、子どもたちが交通事故などに巻き込まれずに、心も身体もすくすくと成長できるように願い、学校・地域・家庭であたたかく見守ることが私たち大人に課せられた大切な役割だと思います。

桜前線北上中。お花見が待ち遠しいですね

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