※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2019年3月1日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

台湾を訪ねて


台南市の黄偉哲市長(前列右から2人目)らと


 1月に台南市を訪問してきました。台南市は台湾南西部に位置し、主要都市である台北からは新幹線で2時間ほどの人口190万の大都市です。台湾といえば、通年の定期チャーター便就航が決まり、3月30日には待望の第一便が就航します。私も何度か参加しておりますが、これまで知事のトップセールスをはじめ県内市町村長らが共に地道な努力を重ねてきたもので、そういった活動が着実に実を結んだものと考えています。
 チャーター便は、週2往復することになっており、台湾との時間的・経済的・感覚的距離が格段に短縮されます。市としてはこの利便性向上を最大限活用し、まずはインバウンド・アウトバウンド両面からの観光振興と市民交流につなげたいと考えています。
 訪問後すぐに、台南市の黄偉哲市長と親しく会談する機会をもつことができましたが、近い将来、両市間で幅広い分野にわたる相互交流に力を入れていくことを確認してきました。
 今回は、秋田公立美術大学の霜鳥学長と佐藤秋田市教育長も同行しています。台南市との交流は、平成29年に台南應用科技大学と美大が学術的成果の向上を目的に協定を締結しています。そもそもこれが交流の端緒となったものであり、早速今年中には、相互の教員派遣を通じて互いに特別講義を行うことになっています。今後は、学生や地域を巻き込みながら交流を深化・発展させていきたいと考えています。
 また、夏には台南市の学校と秋田商業高校が、女子バスケットボールを通じたスポーツ交流を予定していますが、ほかにも実践的なビジネスなどの分野で、お互い切磋琢磨する場面なども期待できそうです。
 実は、台湾に対して私には特別な思いがあります。現在95歳になる母は台南第二女学校の卒業生で、以前は日本の同窓会の会長を務めていました。高校生だった私は、ひと頃、台南在住の母の同級生のお嬢さんと文通していたこともありました。そして、昭和20年の終戦の年、当時台湾にいた私の両親は、台南市に程近い高雄市の製糖工場で結婚式を挙げたと聞いています。二人にとっても、台湾は若い頃の思い出深い地ということになります。私が今こうして台湾との交流に携わっていることを考えると、何か不思議な縁を感じています。
 台南市は日本統治時代の建築や文化財などが残る美しい古都で、人々もとても親日的です。みなさんもチャーター便を利用して行ってみてはいかがでしょうか。きっと、初めてでもなぜか懐かしいようなお気に入りのスポットがいくつもみつかることと思います。

◆市長の動向などは、市ホームページでお伝えしています。https://www.city.akita.lg.jp
*インバウンド=外国から観光などで日本を訪れること/アウトバウンド=日本から外国を訪れること


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