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2019年8月2日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

夏休み、そして
「徳川美術館名品展尾張徳川家の至宝」


「徳川美術館名品展 尾張徳川家の至宝」のオープ ニング式典(7月20日)。
右から2人目が徳川美術館の徳川義崇館長(第22代尾張徳川家当主)


 夏休み真っ只中、子どもの世話や帰省する家族のことなどに心を配られているかたも多いのではないでしょうか。私も時々子どもの頃を思い出すことがありますが、外で真っ黒になり日が暮れるまで遊んだ記憶とともに、映画館に行くことが夏休みや冬休みの楽しみの一つだったように思います。
 映画は今も好きで時々鑑賞します。以前は割安になる夜9時くらいからのレイトショーを観にいっていましたが、今は翌日のことを考え、さすがに夜更かしは控えています。先日は佐伯泰英のベストセラー時代小説を映画化した「居眠り磐音」を観ましたが、当時の時代背景の中で江戸の風情や人間模様が描かれていて存分に楽しめました。
 一本の映画に触発され、さまざまな方面に関心が広がるのも新たな喜びです。どうにも原作を読みたくなり、今は就寝前の30分を読書に充てています。15巻まで読み進みましたが、全部で51巻にのぼる長編小説だけに読み終えるまでにはまだ時間がかかりそうです。さらに話は広がりますが、戦国の世を平定し江戸の時代を切り拓いた徳川家康という人物は、今まで数え切れないほどの作家によって小説に描かれています。一般には「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」に代表されるように、辛抱強く・堅実、安定志向、ときに狡猾なイメージで語られることもありますが、その背景には幼少期に人質となったり家族間の葛藤などの経験があってそうした人間形成に至ったのかもしれないと感じました。歴史に「If=もしも」はありませんが、もし家康がいなければどのような世の中になっていたでしょうか。興味の尽きないところです。
 さて、タイトルで触れた千秋美術館企画展です。これは名古屋市の徳川美術館の協力を得て開催しているもので、家康や歴代当主所用の品、三代将軍家光の娘千代姫の婚礼調度である国宝「初音の調度」など、徳川美術館コレクションの中から選び抜かれた名品を展示しています。ご覧いただければ尾張徳川家の歴史と華やかな大名文化が鮮やかによみがえることと思います。また、オンラインゲームなどで「刀剣」が若い女性に人気という話題を耳にしますが、今回はそこで注目を集める刀も展示されており、世代を超えた集客につながればと期待しています。
 真っ赤な太陽と真っ青な夏空のもとで夏を謳歌するのもいいものですが、ときに美術館でじっくりと歴史と美術の浪漫に触れてみるのもおすすめです。

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