※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2019年8月16日号

健康ライフ太鼓判


テーマ/前立腺がん

市立秋田総合病院泌尿器科 石田 俊哉 医師

■前立腺がんの特徴は?
 前立腺は膀胱の下にあるクルミ大くらいの大きさで、男性だけにあります。前立腺液を分泌し、射精や排尿の役割を担っています。
 前立腺がんは高齢のかたに多く、年々増加傾向にあります。生活習慣の欧米化と関連しているといわれ、潜在がんである(症状が出にくい)ことも特徴です。「尿が出にくい」「夜に何回もトイレに起きる」などの症状が強いかたの場合は、前立腺がんよりも前立腺肥大症である可能性が高いでしょう。
■どんな検査があるの?
 PSA(前立腺がん特異抗原)という血液検査が非常に有用です。検査はわずかな採血をするだけですが、この検査の数値が高いかたは、がんの可能性があるため、MRIや前立腺生検を行いましょう。
■治療はどのように行っていくの?
 まず、がんの進み具合を検査して、転移の有無を精査します。治療方法は、PSAの値や生検での悪性度、臨床病期、患者さんの年齢などを考慮して方針を決めます。患者さんからの希望も非常に大きな要素です。「手術療法」「放射線療法」「内分泌療法」「化学療法」などがありますが、主治医とよく相談しましょう。
 前立腺がんは治療にしっかりと反応します。また、転移がない状態で診断されたかたの10年生存率は95%以上で、完治する場合も多々あります。早期診断が重要ですので、検診はきちんと受けましょう。


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