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2019年11月1日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

映像・アニメの持つチカラ

10月8日の誘致企業受入決定通知書交付式で。左から、佐竹知事、代々木アートプランニング㈲石垣プロダクションの石垣 努 代表取締役、穂積市長、秋田公立美術大学の霜鳥秋則学長

 10月12日、首都圏、東日本に上陸し、記録的豪雨をもたらした台風19号による被害は、改めて自然の脅威と災害への備えの重要さを思い知らされる出来事となりました。被害に遭われたかたがたにはお見舞いを申し上げるとともに、地域の一日も早い復旧を心より願っております。
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 さて先日ニュースで、明治45年に日本人で初めて南極探検に挑んだ秋田県出身の白瀬 矗中尉らの様子を撮影した日本最古と言われる記録映画「日本南極探検」が、昭和5年の公開当時の状態に復元されたとの報道を目にしました。探検隊が遭遇したペンギンの動きや、人が雪原を走る姿、食事の様子などが鮮やかに映し出されていて、雄弁に多くの言葉で説明を尽くすよりも、隊員たちが感じた南極大陸の風や広漠たる風景がイメージでき、改めて映像の持つ大きな力を感じました。
 またこのほど、秋田県とともに進めていた企業誘致活動が実を結び、アニメーションの美術背景制作会社「代々木アートプランニング㈲石垣プロダクション」が秋田市に現地法人「(株)GAKI pro A studio」を設立することになりました。
 石垣プロの石垣 努 代表取締役は湯沢市出身で、これまでアンパンマンや名探偵コナン、ルパン三世など、誰もが知るアニメの背景画を制作してきました。このたびの秋田市進出にあたり石垣さんはふるさと秋田への思いに加え、秋田公立美術大学に対する期待も口にしていました。来年4月に9人のスタッフでスタートする予定とのことですが、そのうち約半数は石垣プロがすでに採用した美大の卒業生で、さらに今後も採用を増やしたいと話されていました。美大が学術提携している台湾の台南應用科技大学にはアニメなどの学科もあり、今後の交流の輪の広がりが楽しみです。
 今年は朝の連続テレビ小説「なつぞら」で舞台になったこともあり、アニメの制作現場が具体的にイメージしやすく身近に感じているかたも多いのではないでしょうか。数年前に「君の名は。」というアニメ映画が大ヒットしましたが、その中に出てくる無人駅のモデルが秋田内陸縦貫鉄道にある駅ではないかと、全国から多くの“聖地巡礼”があったようです。今後、「(株)GAKI pro A studio」と美大、台南應用科技大学などが連携し、秋田発のアニメ文化を深化させていくことはもちろん、豊かな自然や食文化、伝統芸能などの資源を活用し、さらなる地域産業の活性化にもつなげていけたらと夢は広がります。

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