※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2023年12月1日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

秋田の持つ可能性と大きな夢


秋田市在京経済人交流懇談会にて(11月7日)

 晩秋から初冬にかけてのこの時季、冷気を含む透明感と緊張感のある空気は私の好きな季節の一つです。年の瀬を前に、やり残した仕事はないか、日頃世話になっているかたへのあいさつはどうか、冬への備えは大丈夫かなどと、あれこれ思いを巡らす頃でもあります。
 例年11月には東京を会場に、秋田に縁があり秋田を熱く応援してくれている秋田出身者や、赴任経験のあるかた、誘致企業のかたがたをお招きし懇談する、在京経済人懇談会があります。これは秋田商工会議所との共催で、招待者からいつも興味深い話を聞くことができるので楽しみにしております。今回は洋上風力発電を契機に、昨年35年ぶりに秋田支店を開設した三菱商事の舩山 徹コーポレート担当役員から、とてもありがたい提言をいただきました。
 自らが事務局を担ったワークショップの提言「魅力ある秋田の創造に向けて」のプレゼンテーションがあり、その一つが“あきた版夏山冬里"構想です。例えば、山間部の住民は夏はそのまま山で豊かな自然を満喫し、冬は里の別荘で「暮らすように泊まる」。別荘は空き家や古民家の活用です。逆に冬山に価値を見い出す山間部キーパー(山の守り人)は施設の維持管理のかたわら、雪よせ大会や地吹雪ツアーなどのイベントを開催します。山と里の間で人の行き来が生じ、新たなコミュニティーも期待できます。これまでは厳冬や寒さの中の労働を避けようという思いがありましたが、むしろ観光資源としても取り込んで逆に積極的に楽しもうという発想です。実現には的確な情報のマッチングなど困難も伴うとは思いますが、とても興味深く聞きました。
 また“スクール秋田"構想は、学びの場を県全体として捉え、高い学力レベル、国際教養大学や秋田公立美術大学などのユニークな高等教育機関、豊かな自然環境や廃校などの遊休資産といった秋田の強みを最大限発揮させる試みです。地域住民、行政、企業、スポーツチームが連帯し、一人ひとりが生涯にわたり郷土愛に満ち充実した人生をおくることで、若者や教育留学生を呼び込み関係人口の増加につなげようというもの。元々秋田県は戦後の復興から生涯教育発祥の地ともいわれ、私たちが忘れかけていた夢や可能性に改めて気づかせてくれました。
 さて、いろいろなことがあった令和5年も暮れていきます。来年は大きな夢に向かって、着実に一歩踏み出す年にしたいものです。それではみなさんよいお年をお迎えください。

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