※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2024年2月2日号

市長コラム


秋田市長 穂積 志(もとむ)

令和6年 成長と変化の年へ


能登半島地震をふまえ、災害時の対応を再度検証・検討するよう指示しました(写真は7月豪雨災害の本部会議)

 令和6年は、衝撃的な幕開けでした。本市においては、雪も少なく穏やかに新年を迎えることができましたが、元日に最大震度7を観測した能登半島地震が発生しました。地震の怖さや自然災害の恐ろしさを改めて思い知らされました。
 亡くなられたかたがたに深く哀悼の意を表しますとともに、被災されたみなさんに心からお見舞いを申し上げます。
 本市においても、昨年7月と9月の記録的な豪雨で大きな被害が生じました。一日も早く日常の生活を取り戻せるよう全力を尽くすとともに、浮かび上がった課題を一つひとつ検証し、今年策定を進める新たな防災計画に反映させる予定です。加えて、今回の能登半島地震を教訓として、今特に重視していることがあります。
 一つが、2次避難のあり方です。やっとの思いで着の身着のまま近くの避難所に避難できたにもかかわらず、劣悪な環境のため亡くなるということは、避けなければなりません。高齢者や持病のあるかた、妊娠中のかたもいます。感染症の心配もあれば寒さもこたえます。国や自治体では1次避難しているかたがたに対し、被災地から離れたホテルや旅館などに避難してもらう計画も進めています。住み慣れたまちを一時離れる決断が必要ですが、ニュースで「とにかく足を伸ばして眠れること、2週間ぶりの風呂が何よりうれしい」という2次避難先でのコメントを聞いて身につまされる思いでした。
 また、子どもの教育のことも考えなければなりません。輪島市では、市立中学校3校の全生徒約400人の集団避難計画をたてたところ、約250人の希望があったそうです。中学生という多感な年頃、約2か月間家族と離ればなれになるなど、心配なところもありますが、不安や制約の多い校舎内の授業に比べ、落ち着いた環境の中で生活と学びの場を確保できるという点で、2次避難としては一つの有効な手だてだと思います。この度のような大規模かつ長期にわたる災害対策については、広域的に対策を考えることが重要だと改めて考えさせられました。
 今回の能登半島地震に際しては、本市としても、すでに保健師や家屋被害認定調査を行う職員を派遣していますし、DMATやJMATには、市立病院の医師や看護師も参加しております。今後もできる限りの支援をしていきたいと考えています。
 今年の干支の甲辰(きのえたつ)は「春の日差しが平等に降り注ぐ成長と変化の年」とされています。ピンチをチャンスに変えていく、そんな1年にしたいと思います。

*DMAT…災害派遣医療チーム
*JMAT…日本医師会災害医療チーム

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