イチローがまとめた『土地区画整理ってなに?』


最終更新  2003.06.05


ボクの名前は秋田イチロー。小学校6年生で〜す。ボクのお父さんは、市役所につとめてて、区画整理(くかくせいり)のお仕事をしてます。で、ボクのうちの周辺でも、近い将来、区画整理をやることになったんで、『土地区画整理』をテーマに、夏休みの宿題をまとめようと思って、お父さんからいろいろ話を聞いたわけ。そのときのボクとお父さんの会話を、読んでみてください。最後まで読んで、みんなも、土地区画整理つうになってもらえると、うッれしいな!

1 土地区画整理事業の意味

【イチロー】  お父さんのお仕事の区画整理って、どんなものなの?
【お父さん】  土地区画整理という事業をひと口でいうと、ある一定の区域の土地について、快適・安全で住みやすくなるように道路や公園、広場などをつくりながら、以前の悪い形の宅地を整形なものにつくり変えて、以前の土地の持分に応じて、改めて土地を分け与える、専門的には換地手法(かんちしゅほう)というけど、そういう手法をつかった事業なんだ。この土地区画整理事業のことを、お父さんたちは、「土地区画整理」とか「区画整理事業」、「区画整理」なんていうこともあるんだよ。


2 土地区画整理事業の施行者

【イチロー】  土地区画整理事業は、どんな人ができるのかな?
【お父さん】  土地区画整理事業を行う者のことを「施行者」というけれど、この施行者になれる者は、土地区画整理法という法律に書いてあるよ。順番にあげると…
  1. 個人
  2. 土地区画整理組合
  3. 都道府県・市町村
  4. 国土交通大臣
  5. 都市基盤整備公団や地域振興整備公団、地方住宅供給公社のほか、土地区画整理事業を行うために必要な資力・信用・技術的能力を有する者で一定の条件に合うもの
 となっているんだ。お父さんがつとめている秋田市役所は、3の場合に当たるわけだ。


3 土地区画整理事業のよいところ

【イチロー】  区画整理をすると、どんなよいことがあるの?
【お父さん】  順番にあげると、こんなよいことがあるよ。
  1. 道幅が広くなって歩道も整備されるので、人も車も安心して通行できるようになる。
  2. 袋小路や狭い道路がなくなり、万一、火災が発生したり病人が出ても、消防車や救急車がすぐに目的地に行けるようになる。
  3. 雪国・秋田じゃ、除雪車が雪寄せをしやすくなって、冬場の生活も快適になるんじゃないかな。
  4. 三角形や台形といった悪い形の宅地が、道路に面した長方形や正方形の宅地に生まれ変わり、利用しやすくなる。
  5. 子どもたちが、安心して遊べる公園や広場ができる。
  6. 道路などをつくるときには、市役所が土地を持っている人から直接買うことが多いんだけど、このようなやり方は、土地が半ぱに残ったり、住み慣れた土地から遠く離れた場所に移らなければいけないことが多いんだ。でもね、区画整理の場合は、そんなことがほとんどないんだよ。
  7. 区画整理と合わせ、下水道工事などが行われることも多く、河川や水路の水質が良くなる。
 …思いつくままにあげると、こんなものかな。
 こうやって、区画整理でつくり上げられた街なみのことを、土地区画整理法という法律では、「健全な市街地」ということがあるんだ。


4 土地区画整理事業の考え方

【お父さん】  細かい話に入る前に、区画整理の基本にある考え方を、お父さんがイメージ図で説明してあげよう。
【イチロー】  わかりやすく、教えてね。

《お父さんが書いてくれた区画整理の前後のイメージ図》

 

1.土地の形

【お父さん】  左側の区画整理をする前の土地Aの様子は、境界が不規則で形が悪いうえ、面している道路も狭いよね。
 それが、右側の区画整理が終わったあとの土地A’では、面積は少しせまくなっているけど、きれいな長方形になり、道幅も広くなってるね。近くには、公園や広場も整備されているはずだ。

2.土地の評価額(ひょうかがく)

【お父さん】  土地の価格・価値を公式でいうと、
        A = A’
 これが区画整理の基本にある考え方なんだ。つまり、「区画整理の前と後では、土地全体の価格・価値は変わらない」というルールがあるんだ。
別の言い方をすれば、区画整理をすると、面積は減るけど、土地の利用価値が高くなって、1平方メートル当たりの土地の価格が上がり、結果的に、整理の前と後を比べても、全体の土地の価格がほぼ同じになるということなんだ。
 このことを、数値をあてはめて説明すると、こうなるよ。

○整理前の土地Aの価格は、
 1平方メートル当たり 土地の面積
        10万円×100平方メートル=1,000万円
○整理後の土地A’の価格は、
 1平方メートル当たり 土地の面積
        12万5千円×80平方メートル=1,000万円

 この例では、AもA’も、土地の価格は1,000万円となり、区画整理の前と後を比べても、つり合いがとれているね。
 ついでにいうと、この例では、面積が整理前の100平方メートルから80平方メートルになり、20平方メートル減っているから、このあと説明する減歩率(げんぶりつ)は、20パーセントということになるよ。

3.土地の評価額が上がる理由

【イチロー】  どうして、区画整理をすると土地の価格が上がるのかな?
【お父さん】  土地を売買するときは、形がどうなっているか、道路に面しているかどうか、どれくらいの幅の道路に面しているかどうか、駅に近いかどうかなど、その土地の利用しやすさなどを、いろいろな角度から調べて価格を決めるんだ。
 区画整理をすると、こうした面で条件が良くなって、土地の利用価値が上がるから、普通、土地の価格は上がるんだよ。


5 減歩(げんぶ)の意味

【イチロー】  ところでね、隣のヒデキくんのお父さんが、「区画整理をやられると、減歩されて土地が減っちゃうから、困ったもんだ」って、最近、よく言ってるらしいよ。
【お父さん】  隣の松井さんのような気持の人は、区画整理の対象となった地区の人々に、とっても多いんだ。お父さんたちも、事業の説明会に行ったりすると、一番、質問ぜめにあったところだと思うよ。
 それじゃ、さっきのイメージ図で、減歩された部分がどこで、何に生まれ変わったかを、整理前の土地を少し拡大してみてみようか。下のイメージ図を、見てご覧なさい。

 《お父さんが書いてくれた減歩のイメージ図》


【お父さん】  図のように、「土地の形を整える際に削られた斜線の部分が、道路や公園などを生み出すために、減歩として提供された」と理解してもいいよ。実際は、最初に道路や公園、広場などを設計図に書き込み、あとから、それぞれの土地の行き先や形を決めていくんだけどね。
【イチロー】  そうか。それじゃ、減歩されて、おうちの庭がせまくなったら、お父さんとキャッチボールができなくなるじゃん。
【お父さん】  そういう場合は、お父さんと一緒に、近くにできる公園に行って遊ぼうね。
それはそれとして、減歩の意味をもう少し、きっちり理解してもらおうかな。
【イチロー】  うん、区画整理ではよく聴く用語なので、ちゃんと教えてね。
【お父さん】  実は、減歩という言葉がつく専門用語はいくつかあるんだ。
まず、「減歩」という言葉だけれど、これは、「区画整理をすることで、事業をする前に持っていた宅地の面積の減少分」、というくらいの意味で使われているんだ。
 この言葉を細かく使い分けるとすると、さっきの図のような場合は、従前(じゅうぜん)の宅地が公共施設(こうきょうしせつ)に生まれ変わるために減少する場合なので、「公共減歩」といい、その割合を「公共減歩率」というんだ。
 次に、「保留地減歩」という言葉。これは後で説明するけれど、保留地(ほりゅうち)という、売却して事業費に充てる宅地があるんだけれど、この保留地に生まれ変わるため従前の宅地面積が減少する場合につかわれるのが、この「保留地減歩」という言葉で、その割合を「保留地減歩率」というんだ。
もうひとつ、区画整理事業の施行地区(せこうちく)全体の平均を示す意味で、「平均減歩」「平均減歩率」という言葉もつかわれているんだよ。
 平均減歩率は、公共減歩率と保留地減歩率を足したものになる。
【イチロー】  それじゃ、算式で書くと、「平均減歩率=公共減歩率+保留地減歩率」になるわけだ。
【お父さん】  そのとおり。


6 照応の原則(しょうおうのげんそく)と現位置換地(げんいちかんち)

【イチロー】  お父さん、いまね、最初に道路や公園なんかを設計図に書いちゃうって言ったけど、たとえば、ボクの家のところに大きな公園がつくられることになったら、ボクんち、どっかに移らなくちゃ行けないの?
【お父さん】  そのとおり。道路や公園ができることになると、その場所にはいられないんだ。そういう場合は、整理前の土地の位置や面積はもちろん、どのようにその土地が利用されているかとか、周辺の環境はどうかなどについてちゃんと考えて、移転先を決めるんだ。
 このように移転する場所、つまり換地先を決めるルールとして、「照応の原則」というのがあるから覚えといてね。
 ちなみに、整理前の場所と、ほぼ同じ場所に換地されることを「現位置換地」とか「現地換地」というんだ。
【イチロー】  なるほどね。


7 清算金(せいさんきん)と減価補償金(げんかほしょうきん)

1.換地設計ってパズルに似てるの?

【イチロー】  設計図を見て思ったけど、区画整理って、パズルみたいだね。
【お父さん】  そうかも知れないね。でも、お父さんも実際にやったことがあるからわかるけど、照応の原則を守りながら換地の設計をしていると、どうしても誤差が出るんだ。
 たとえば、イチローが、薄い板でパズルつくった場合を頭に浮かべてご覧なさい。まず、設計図をつくってから、板をノコギリでギコギコ切って、ひとつひとつのピースをパズルの枠にはめていくよね。
 でもね、ちゃんとパズルができたと思っても、よ〜く見ると、ちょっぴりノコギリで削りすぎて、すきまができていたり、無理やりはめたものだから、ピースの中には取り出しにくいものがあるかもしれないね。
 こんな状態で板パズルがはまっていると思えばいい。だから、すき間を埋めたり、ヤスリをかけたりして、きれいにはまったパズルに手直しする必要があるわけだ。

2.最後はお金で清算・補償をするんだ

【お父さん】  パズルがきれいに枠にはまっていない状態は、区画整理の場合でいうと、街区(がいく)という道路で囲まれた部分(パズルの枠)に、ひとつひとつの土地(パズルのピース)が、本来、与えられなければならない面積とは、ちょっぴり違った面積ではめ込まれている状態に似ているね。
 これは、土地を持っている人達の間に、その土地の価値について不公平が生じていることを意味するから、不公平をなくして、公平にするための作業が最後に必要になってくるわけだ。
【イチロー】  どうやって、公平にするの?
【お父さん】  それはね、整理前の土地の価値に着目すると、計算上、当然に与えられなければならない換地の価値があるけれど、実際に渡された換地の価値が大きいときは、その人は清算金というお金を施行者に支払い、その価値が小さいときは、その人は清算金を施行者からもらうことになるんだ。
 また、ちょっと専門的になるけど、個人や組合が区画整理を行うのではなく、県や市役所が区画整理を行うときには、施行地区内全体の整理後の宅地の価額の合計が、整理前の宅地の価額の合計よりも減少することもあるんだ。そんなときは、その少なくなった分を、土地を持っている人達に、減価補償金というお金で払うこともあるんだよ。
【イチロー】  へ〜えッ、区画整理をやっても、整理の前よりも後の方が全体の宅地の価値が減ることがあるんだあ。
【お父さん】  そう、施行地区全体に占める整理後の公共施設面積の比率が大きい場合、つまり幅広い道路や生活に密着した道路がたくさんできて、宅地の面積の減り具合が大きい場合などでは、宅地の評価は上がるんだけれども、全体の宅地の総価額が減少することがあるんだ。このような地区を、減価補償地区と呼ぶことがある。
 街並みがある程度できあがっている所、これを既成市街地ということがあるけど、このような場所で、より暮らしやすいまちづくりを進めるために区画整理を行うと、こういう現象が起きてくることがあるんだ。
 秋田市の場合も、既成市街地を含む秋田駅東第三地区や秋田駅西北地区の土地区画整理事業では、こういう現象が起きている。でもね、そういう場合は、たいてい減価補償金を個々の地権者の人達に支払うことをしないで、あらかじめ一定の従前の宅地を施行者が買い上げて、区画整理をする前の施行地区全体の宅地の総価額を小さくし、区画整理の前後で宅地の総価額に差が少なくなるような工夫をして事業を行っているんだ。

次のページへ


問い合わせ先
都市計画課 計画担当
住所 〒010-8560 秋田市山王一丁目1番1号
TEL 018-888-5764
FAX 018-888-5763
E-mail ro-urim@city.akita.akita.jp

秋田市||都市計画課



市章
Copyright (C)2001 秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp