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かっぱの絵
その6
善吉おじいさんに恩返しした狼

 雄物川べりのある村に、善吉というおじいさんの住んでいる家があったド。
 善吉おじいさんは、田畑や山を多く持っていて、とくに杉の伸びるのを楽しみにしていたド。
 ある年の春のこと、善吉おじいさんは、枯れた苗木の後の穴植えをしながら、杉の育ち具合を見に村境の山まわりに出かけたド。あちこちまわって昼になったので、連れていった愛犬のシロを相手に握り飯(おにぎり)を食べて、煙管(きせる)で一服していたド。春の陽ざしが和やかな、風の当らない陽だまりの場所であって、近くには名も知らぬ谷地花(やちばな)が見事に咲いていたド。あまりののどかさに、善吉おじいさんとシロは、いつの間にか気持よさそうに眠ってしまったド。
 しばらくしてシロが、何におどろいたのか、耳をそば立てて起き上がり、森の奥の方に走っていったド。そして、シロが森の奥からただならぬ様子で帰って来て、善吉おじいさんに何事か話しかけるような目をしたド。心配になったおじいさんは、シロといっしょに森の奥へ行ってみたド。
 森の奥で善吉おじいさんの見たものは、親にはぐれた生れてニ十日もたっていないような仔犬だったド。その仔犬をシロは、自分の子供のようになめまわし、可愛いくてどうにもならぬようすであったド。
 善吉おじいさんは、「こんな奥地に、仔犬がいるもんだべが(いるだろうか)」と不思議に思ったド。「野良犬の子だべ(だろう)」と思い直し、「家にも同じくらいの仔犬がいるから、シロにもなついているし、このまま残して行くわけにいがね(いかない)」と抱いて家に帰ったド。
 家に連れて帰ったものの、善吉おじいさんは毛色の変った仔犬がうまく育つか心配だったド。しかし、シロも自分の子供と同じような育て方をしたし、孫たちも喜んでくれたので、ホッとしたド。
 ところが、この仔犬が家に来てからというもの、夜中になると馬や鶏がさわぎ出し、シロも落ちつかなくなったド。あまりのさわぎ方なので、善吉おじいさんはある夜、床を抜け出して外に出てみたド。 どうも、シロのほえる合い間に狼がうなっているような気がしたども(したけれども)、朝になると何でもないという日が続いたド。
 狼があまり家の回りをさわぎまわるので、「さては、あの仔犬は狼の子であったのか」とシロをなだめて、外に狼の子をそっと出してやったド。外を見た善吉おじいさんは、名残り惜しそうに子供をくわえて、夕闇の森へ帰って行く狼親子を見守ったド。
 それからというもの、家の玄関には誰が置いていったのかわからない、山鳥や兎などがあったり、山の田がきじなどに荒されることもなくなったド。
 このうわさを聞きつけた村の人々は、「狼の恩返しだ!」と善吉おじいさんとシロをたたえたド。
 とっぴんぱらりのぷ!


かっぱの絵
民話への招待
 今に伝えられる数々の民話の中には、人間といろいろな動物たちのかかわり合いのある物語がたくさんあります。
 浦島太郎と亀、鶴の恩返し、カチカチ山などのように、なじみの深い物語もありますが、この民話もその系統の中に入るものです。
 狼が主人公の場合は、人間を襲い、群れをなし雪原をかけめぐり月にほえるおそろしい生き物として、また「赤頭巾さん」の狼のように、ずるがしこい動物と印象づけられています。しかし、動物も親子の情は深いもの、このようなほほえましい面もあることは当然と思われます。

 

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