秋田市雄和市民サービスセンター
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かっぱの絵
その10
綱引きと大入道

 ―昔は雄物川でも、春から夏近くまで鱒がたくさんとれ、このあたりでも、網を引いたりすることができたころのことだド。このあたりとはたぶん、芝野の川向いにある昼寝河原あたりの話コだべ―
 ある年のこと、河原では、春鱒がうんと(たくさん)とれたので漁師たちは夜中までも網を引いたド。「さあ、皆や、疲れで来たし、このあたりで止めて休むべー」と網元・藤兵衛ぢさまの声かけで小屋サ引きあげたド。そして、とりたての鱒を焼きながら、くるま座になって酒コ飲んでいたド。
 そしたら、町場の方の空が真赤に焼けでいるように見え、半鐘の音も聞けできたんだド。「町が大火事だ!これだばだまってられねべー」と町の方サ走り出し、松林のはずれまで来たら、今までの空の赤かったのが、消えてしまっていたんだド。
 「えがったごと、(よかった)すぐ消えで」と道をもどって来たら、松林の中に一丈(3メートル)もある大入道が両手をひろげで立っていで、まなぐが人の玉のように光って、おっかね面をしていたんだド。
 「狢だベ、よぐも出で来たもんだ、ぶち殺してやるぞ!」といって棒を持ってかかっていったら、すぐに見えなくなったド。そしたら、また半鐘が鳴り出して、空が真赤になり、煙まで見えてきたもんだから
「まだ燃え出したんだべー」
とひっかえして行ったら、赤くなった空の色も煙も消えだド。
「火事も狢のしわざにちげね(まちがいない)」
と話しながら、ぞろぞろと歩いていると、前に出た大入道よりも、ひとまわりも大きな奴が、上からかぶさるように立っていで、松の木のような腕を振りまわして、大っき口あいでいたんだド。
 「このやろう、まだ出だな、さっきの火事も、んが(お前)のしわざだべ。今度こそ本当にぶっ殺してやるド」といって、みんなでかかっていったら、消えてしまったド。
 そしたら、まだ遠くの方に立っているので、「この畜生、今度だば逃がさねド」とぼっかけて(追いかけて)いくど、もっと遠くの方サ立っているんだド。何度も同じことをくりかえして、みんなはよくよく疲れてしまって、ヘとへとになって動くこともできなくなってしまったんだド。
 気がついてみると、夜もしっかり明けてしまって、村の人たちが河原の畑サ、野良仕事に出はじめる時分になっていたんだド。
 びっくりして、河原の小屋サ走って行くと、留守番も置かねでみんな出かけたものだから、小屋の中は荒され、ずっぱり(たくさん)置いてあった鱒も、呑みかげでおいた酒も、おひつの飯も全部なくなっていだド。そして、そごらあだりに狢の足跡の大きいのや小さいのが、ずっぱり残っていたド。
とっぴんぱらりのぷ!


かっぱの絵
民話への招待
 むじなとは、漠字で「狢」「貉」と書きます。
 大辞林で、むじなとは、穴熊のことをいうとあり、穴熊とは、食肉目の獣で、頭部から背中にかけての上面は灰褐色の毛でおおわれ、また、腹部などの下面や四肢は黒となっています。
 たぬきのように穴をねぐらとしていますが、四肢は太く短く、前足の爪は長くなっています。
 ヨーロッパやアジアにかけて広く分布しており、日本でも本州、四国、九州に生息しています。毛皮は防寒用、毛は毛筆や刷毛の原料になっています。
 地方によっては、むじなと称して、たぬきと混同しているところもあります。むじなは別名、アナホリ、ササグマ、マミ、モジナとも呼ばれています。
 昔話には狐や狸、むじななどが人をだましたり、人に化けていたずらをしたりする話がよく出てきます。幼いころの想い出にも、どこの誰それが、むじなにだまされて堰に落ちて死んだとか、迷い込んだとか耳にしたものです。
 深酒をして泥酔の上、正気をなくしての事故死と見るべきであろうか。精神障害者を、狐つきとか呼びならしたことは、ついこの間のことのように思われます。

 

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