意見書 (平成14年6月市議会定例会)


最終更新 2002.07.01 


秋田市議会の意見として、国会や関係行政庁に送付します。

 非核三原則の堅持に関する意見書

 非核三原則をめぐり政府高官が、5月31日の記者会見において「我が国は憲法上、核兵器保有が可能」との認識を示した。また、同日記者団との定例の懇談において「憲法改正の話が出てくる時代だから、何か起こったら国際情勢や国民が核を持つべきだとなるかもしれない」と述べた。
 これは非核政策を国是とする我が国政府の閣僚として許されない発言であり、厳重に抗議するとともにその責任を厳しく追及するものである。
 広島、長崎の被爆経験を持つ我が国は、平和憲法のもと、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という「非核三原則」を掲げ、1967年に佐藤内閣が明確にして以来、核兵器の不保持を明言し、国連への提案など世界の非核化推進にも積極的な役割を果たしてきた。政府高官のこのたびの言動はこのような我が国の基本政策を否定し、非核化への努力をないがしろにするものである。
 よって、国においては、日本とアジアの平和と安定、近隣諸国の我が国への不安を解消するために、非核政策を明確にするとともに、非核三原則を堅持するよう強く要請するものである。 

 法人事業税への外形標準課税の導入反対に関する意見書

 政府税制調査会は、「あるべき税制の構築に向けた基本方針」を小泉首相に答申した。
 それによれば、消費税の引き上げを明記し、各種控除の廃止や縮小による所得税の課税範囲の拡大、赤字中小企業からも税金を徴収する法人事業税の外形標準課税の導入などを掲げている。
 特に、法人事業税の税収の半分を外形標準課税でという小泉首相の指示のもと、外形標準課税を導入しようとしており、これは、現行の所得を基準にした法人事業税を、給与、利子、賃貸料などの企業活動の規模に応じて課税するものである。
 外形標準課税導入については、日本商工会議所の会頭も「赤字経営が多い中小企業に新たな負担をかけ、経済の活力を失う」と述べ、反対の態度を鮮明にしており、深刻な不況による地方財政の落ち込みを口実にして課税ベースを拡大し、中小企業への負担を押しつけるものである。
 外形標準課税が導入されると、黒字企業が負担する法人事業税を軽減し、全法人の3分の2を占める赤字企業にも負担させるもので、総務省案に基づいて試算した場合、資本金10億円以上の企業では減税となり、一方、1億円未満の企業では増税になると言われている。これは、経済の活性化と称して、法人税率の引き下げを求める財界の要望に沿ったものである。
 税金は担税力に応じて課税されるのが世界の主流であり、赤字中小企業を標的にした第二消費税と言われている外形標準課税の導入は、今日の不況をさらに悪化させるものである。
 よって、国においては、外形標準課税を導入しないよう強く要請するものである。 

 介護保険制度の改善に関する意見書

 介護保険制度の開始から2年が経過し、保険料・利用料が高齢者等の重い負担になっていることや施設入所待機者が逆にふえ続けていることなど、さまざまな問題が明らかになっており、深刻な事態となっている。
 しかし、厚生労働省は、第2期介護保険事業計画の策定に当たって、採算割れしている在宅サービス事業者が多いことから、在宅介護の報酬を引き上げることや、施設整備については参酌標準を引き下げて、介護保険施設をふやさない方向を明らかにしている。これらの内容は利用しやすい制度を願う国民にとっても、また、保険者である自治体にとっても、さらに矛盾を深める要因になるものである。
 よって、国においては、「在宅重視」など、真の介護保険制度の目的を達成するため下記事項について措置を講じるよう強く要請するものである。
                        記
1 各自治体の施設入所待機者の実態にかんがみ、参酌標準を緩和し施設整備を進めること。
2 利用料の減免措置を講じ、在宅介護の負担軽減を図ること。
3 介護保険財政の健全な運営のために十分な財政支援を講じること。

 未就学児の医療費無料化の実現に関する意見書

 先般、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所から発表された「日本の将来推計人口」によれば、2000年度の合計特殊出生率は1.36を記録するとともに、2006年にはさらに1.30にまで低下すると推計している。また、同省の人口動態統計によれば、2001年の新生児数は前年よりも減少して119万4,000人、人口1,000人当たりの出生率も9.4と過去最低を記録している。
 このように我が国の少子化は、年々深刻化し、これ以上の少子化が進行すれば、社会保障制度の安定的運営や経済の持続的成長が見込めないなど、国民生活に深刻な影響を与えることが不可避となっている。
 こうした状況の中、子育て家庭への支援策の一層の充実が望まれている。その一環として、現在、すべての都道府県において、乳幼児医療費の助成制度が自治体独自の施策として実施されているが、この助成制度は国が関与しない制度であるため、対象年齢や所得制限の有無を初め、支給方法や一部負担金の有無など自治体によってさまざまに異なる内容となっている。また、その多くは「償還払い」方式であり、制度の利用に手間がかかるなどの指摘もされている。さらに、身体機能が未熟な乳幼児は死亡率も高く、また、受診率を見ても、小中学生と比べ入院、外来ともに治療を受ける機会が多いことから高い現状にあり、その医療費が子育て家庭の大きな経済的負担になっている。
 子供の健康を守るとともに、安心して子供を産み育てられる社会にするためにも、乳幼児医療費の無料化、さらには未就学児までの助成の拡充が今強く求められている。
 よって、国においては、医療保険制度における給付率の引き上げや、地方自治体の施策に対する助成を実施し、未就学児全員を対象とした医療費無料化制度の実現を図るよう強く要請するものである。 

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