あきた市議会だより92号


最終更新 1998.10.27


あきた 市議会 だより
1998年10月23日 92
平成10年9月市議会定例会から

新焼却炉建設工事請負契約案など可決

 9月定例会は、9月3日から21日まで19日間の会期で開催されました。今議会では平成9年度企業会計決算4件、条例案等8件、補正予算案3件、意見書2件、同意2件をいずれも可決したほか、請願・陳情9件を採択、3件を不採択、21件を継続審査とし、閉会しました。



定例会の概要

 開会初日に市長から「本市まちづくりの最重点課題である中央街区の再生については、さる7月9日に県知事に対し、芸術文化ホールの設置などを盛り込んだ市の再開発案を提示したうえで、本事業推進に対する県の支援と協力をお願いしたものです。行政改革については、平成7年に策定した行政改革大綱の進捗率は約80%に達しており、引き続きその実施に努めてまいることはもちろんのこと、地方行政を取り巻く社会経済情勢はなお一層厳しさを増していることから、現在、行政改革大綱の抜本的な見直し作業に着手しております。また、重要な改革課題である公営企業の問題は、交通事業のあり方について、引き続き市議会をはじめ、市民の皆様と十分な論議を重ねながら、本市の方針を決定してまいります。ガス事業のあり方については、今年度庁内協議会を設置し、調査・検討に着手しており、市民サービスの維持・向上を第一義としながら、今後本市が取るべき最善の方策をできる限り早期に決定してまいりたいと考えております」との報告や議案の概要説明がありました。
 9日、10日、11日は本会議で一般質問を行い、14日、16日は各常任委員会を開催し、付託された議案等について審査を行いました。21日は委員会審査の後、本会議で、議案等の審査経過と結果について各委員長から報告を受け、討論の後、採決を行い、閉会しました。


可決した主な議案

決算
  • 平成9年度4企業会計決算
    病院・水道・ガス・交通
予算
  • ▼一般会計・下水道会計・平和公園会計補正予算    
    公共土木施設・農地農業用施設・林業施設・崩壊した山地等の災害復旧、法人市民税等の還付金、南部・西部地区墓地造成調査費増額、平和公園の給水施設の改修、知的障害者入所授産施設や特別養護老人ホームの創設および民間保育所等の施設整備、身体障害者生活支援事業、新焼却施設建設事業費増額、御所野事業所最終処分場用地取得、「心の教室」を市内の中学校に整備、飯島地域運動広場の新設など
その他
  • ▼工事請負契約の締結
    御所野事業所の新焼却施設建設工事など
条例
  • ▼秋田市立学校授業料等徴収条例の一部改正
     商業高等学校の授業料月額8,700円を9,000円に、美術工芸短期大学附属高等学院高等課程の授業料4,500円を4,700円に改める
  • ▼秋田市火災予防条例の一部改正
     危険物を取り扱う配管の技術上の基準の整備を図るとともに、計量単位を国際単位系に改める
同意
  • ▼教育委員会委員の任命      渡邊 傳(わたなべつたえ)氏の新任
  • ▼公平委員会委員の任命      板倉 貞一(いたくらていいち)氏の新任
       


可決した意見書・決議


一般質問

 議案以外の市政全般にわたり、市側の考え方を聞いた10人の一般質問の中から、主な質問と答弁の要旨を掲載します。

市税と交付税の収入見通しはどうか

問

自主財源である市税の収入見通しはどのくらいですか。また、普通交付税、特別交付税の見通しはどうですか。

長谷川 昭一議員

答 市税のうち、法人市民税は景気低迷による企業の業績低下から大幅な減額、個人市民税でも給与所得等の減少により若干の減額が見込まれ、一方、固定資産税、事業所税では増額が見込まれることから、現段階では市税全体として予算額は概ね確保できるものと考えています。
 普通交付税は緊急経済対策に要する地方負担額相当分として、約4億4千万円が算入されたことなどにより、当初予算額より約6億円増の158億円余となっています。特別交付税は今年度の地方財政計画で前年度を2.3%上回る伸びとなっていることから、本市においても予算額は確保できるものと考えていましたが、先の豪雨災害など全国各地の被災状況をみると、厳しい見通しになると予測されるので、今後、関係方面への働きかけを一層強めていきます。

 山と海の学校創設のねらいは何か

問

 山と海の学校制度創設の基本的ねらいは何ですか。また、途中変更の要件はあるのですか。

相場 金二議員

答 現行では学校教育法施行令により、通学距離や安全面、学校間のバランスを考慮し、通学区域が設定され、通学すべき学校を指定していますが、この運用をできる限り緩やかにし、学校選択の機会を拡大しようとするのがこの制度の目的です。対象となる市内周辺部の小・中学校11校は、ほとんどが小規模校で、自然を生かした体験学習を通じて豊かな人間性を養うには良好な環境であり、また、新たな子どもの交流は、受け入れ校にも活気をもたらし、教育を活性化させていくことにもつながります。
 また、1年以上の通年通学を原則としていますが、指定校および受け入れ校間の協議・調整や、児童・生徒本人の気持ちの確認、保護者との話し合いが十分なされている場合には、途中変更についても柔軟に対応していきたいと考えています。

バリアフリー調査と対策はどうなっているか 

問
 市立病院での秋田バリアフリー研究会による調査結果とその対応策はどうなっていますか。また、市内道路の側溝改良はバリアフリーの面でも重要ですが、今年度の達成状況はどうなっていますか。

猪股 竹作議員
答 市立病院では、バリアフリー研究会の方々に加え職員が、高齢者や妊婦の疑似体験をしながら院内の施設を調査しました。調査時点では、トイレの設備や受付の位置、記載台の高さ、表示板等についていくつかの指摘を受け、このうち、 記載台の高さについては、車いすでも利用しやすいように低く改良しました。今後、研究会からの報告書ならびに各方面のご意見を参考に順次改善をしていきたいと考えています。
 また、側溝改良については、道路排水処理のほか歩行者の安全確保にも有効なことから、市民要望の多い事業で、現在、全部で約260カ所の要望があります。10年度は緊急度を考慮しながらこのうち95カ所について実施する予定です。 

新設の墓地公園の整備計画はどうなっているか

問
 豊岩地区に新設する墓地公園の規模、貸付時期はどうなるのですか。駐車場や迂回路などの計画、墓地の形式はどうなりますか。
 また、北部など他の地区にも造成計画はありますか。

安井 貞三議員
答 南部・西部地区墓地造成については、平成10年度の当初予算に調査費を計上し、平成11年度には豊岩石田坂地内の用地確保と工事を予定しています。墓地の造成基数は約540基を見込んでおり、貸し付けは工事の進捗状況にもよりますが、平成12年度中に開始したいと考えています。
 道路、駐車場については、市民が利用しやすく、近隣住民に迷惑のかからないように配慮します。また、墓地形式については、公営の墓地であることや、景観を大切にする観点から規制墓地を考えています。
 北部等、他の地区への墓地造成については、秋田市全体の墓地需要を見極めていく必要があると認識しており、今後の検討課題としていきます。答

行政改革の主な実施項目は何か

問
 行政改革の到達点として、現行の行革大綱の各項目の中で、主な実施項目の内容はどうなっていますか。

佐々木 勇進議員
答 事務事業の合理化については、事務事業の見直しの観点から、粗大ごみを戸別有料収集に変更しています。また、民間委託等の推進の観点から、サンライフ秋田を民間委託しています。
 組織・機構の効率化については、審議会等の合理化の観点から、20件の審議会等の廃止あるいは減員などを行い、また、公営企業のあり方の観点から、交通事業およびガス事業の抜本的な改革案を検討しています。
 財政運営の効率化については、経常経費の見直しの観点から、枠配分方式の見直しを図り、また、補助金等の整理合理化の観点から、補助金等27件の廃止等を行っています。
 情報化に対応した行政サービスの向上については、情報化の推進の観点から、個人市民税情報について光ファイルへの保存に着手し、行政サービスの向上の観点から、申請書の添付書類の簡素化を実施しています。                                                                                                                                                                                               

中高一貫校を寮制にする考えはないか

問 
 今、教育の最大課題は「心の教育」であり、師弟一体の教育の大事さが指摘されています。その意味で、本市で計画している中高一貫校に全寮制もしくは短期入寮制を導入する考えはありませんか。また、生徒に信頼される魅力ある教師の選任と資質向上をどう図っていきますか。

近江 喜博議員
答公立で初めて設立された宮崎県の中高一貫校の関係者の話によれば、寮の運営、管理指導は先生方の負担増が計り知れないと聞いています。本市は、市内通学であり、先生方の精神的、肉体的負担を考慮し、寮制の導入は考えていません。それに代わるものとして、合宿研修、地域ホームステイなどを実施して、先生や他の家族と寝食を共にしながら人間教育を進めていきたいと考えています。
また、一貫校成功の鍵を握っているのは教員であり、理念を理解し、表現科を含む選択教科や郷土総合学習等の教育を実践できる教員の確保が最も重要で、そのためには、県教委との密接な連携が重要と認識しています。一貫校が設置された場合には、専門家による校内外の研修会に参加させ、現職教員の再教育に努め、資質の向上を図る必要があるものと考えています。 

新焼却炉の機種選定の条件をどう考えるのか     

問
 ランニングコストを比較すると、シャフト炉がキルン炉より20年間で66億円から100億円程高くなり、機種選定の重要な条件になると思いますが、どのように考えていますか。またコークス使用により、二酸化炭素の排出量は20年間で約52万トンになりますが、どのような議論や検討をしましたか。

瀬田川 栄一議員
答シャフト炉の運転経費は、年間約10億5千万円となり、電力売却益は約3億円と積算しています。他の3社の運転経費は、実稼働をもとに算出されていないため、同列に比較検討はできないものです。なお、経費も選定条件のひとつですが、それだけで判断するものではなく、機種の持つ特性や性能などを総合的に評価して選定すべきものと考えています。
 また、二酸化炭素の発生量は既存炉より20%増と捉えています。発生量を基準に炉を選定することで、目標とする資源循環型都市づくりがどうなるのか、コークスの削減方法、溶融物の再利用による最終処分場の延命、環境へのメリットなど議論しました。その結果、二酸化炭素も一つの基準ではありますが、環境負荷の低減については、埋立土壌の負荷、ごみ発電によるエネルギーの効率利用なども考慮し、総合的に判断すべきと考えたものです。 

市民市場の改築に支援ができないか

問
 市場側の改築の意思についてどのような感触をもっていますか。改築をするのであれば、どのような支援ができますか。また、市街地再開発事業などの制度を活用できませんか。

鈴木 嘉重議員
答 市民市場は、建設後34年が経過し建物の老朽化が進んでいることや駐車場の狭隘、ロードサイド店・郊外型大型店との競合等により売り上げの減少もみられ、経営環境に厳しさが増しています。従って、市としては改築の意思はあるものと受け止めています。
 今後、市としては組合員の合意のもとに改築計画が具体化した時点で、可能な限りの融資制度や補助制度を活用した支援を検討していきたいと考えています。
 また、良好な市街地環境の整備や優良な建築物等の整備を促進できる市街地再開発事業などの活用に際しては、同事業などの採択要件に照らし、市民市場の現況が、その要件に合致するかどうか検討を要するところです。 

商店街への支援対策はどうなっているか

問
 本市経済を支える市内の地域商店街への支援対策はどうなっていますか。また、中心市街地活性化法に基づく活性化対策をどのように推進するのですか。

佐々木 晃二議員
答 具体的施策としては、商店街共同施設設置事業として、商店街が実施する街路灯や駐車場等の事業へ助成を行い、環境整備に努め、賑わい対策として商店街の各種イベント事業支援のほか、商業集積地まちづくり推進事業として、各商店街の活性化プランの調査・研究を商店街、商工会議所と行っています。このほか、今年度は、商店街の空き店舗対策事業を創設して、商店街の活性化を推進しています。
 また、本年5月に成立した「中心市街地活性化法」は、市街地の都市機能整備やタウンマネージメントの支援等、商店街の活性化に手段を提供するものとなっており、本市では、年度内に、県・市・商工会議所等で構成する「中心市街地活性化基本計画策定委員会」が、まちづくりと商業等活性化事業について検討して報告書を作成し、基本計画を策定します。

子育て支援の状況と効果はどうなっているか

問
 地域子育て支援センター事業の状況や効果はどのようなものですか。

柏谷 幸彦議員
答 本市の子育て総合センターでは、14人の専門的な相談員を配置し、多岐にわたる子育てや家庭問題のアドバイスにあたっています。平成9年度の相談件数は、前年度比337件増の2,662件であり、子育ての悩みや不安の解消に努めています。
 また、乳幼児を対象として、定期的に開催している「パンダ広場」には、常に100人程度の親子が参加しており、子育て情報の交換や子育て意識の高揚の場として効果を上げています。
 このほか、子育て情報誌の作成、育児サークルに対する「出前保育」や助言、保育所・幼稚園への巡回訪問相談など、多様な活動を展開し、市民の好評を得ています。

委員会の審査から

総務

問
 新焼却施設建設工事請負契約の締結が遅れた場合、どのようなデメリットがあるのですか。
答 新焼却施設は平成13年度末の完成予定ですが、仮に工期が3カ月遅れた場合、国の補助金が3億8千万円削減されること、さらに、廃止予定の1号炉・2号炉を稼働しなければならず、その分の人員配置による人件費および維持管理、補修費が増額になるなどのデメリットがあります。

厚生

問
 福祉施設の整備については、申請があれば全て受け付けるのですか。
答 特別養護老人ホームは、国の新ゴールドプランにより設置数が決められており、秋田県全体としては飽和状態で建設することはきわめて困難となっています。しかし、秋田市のみでは、高齢者プランや入所待機者の状況等から現時点で50床足りず、もう1カ所建設したい意向を持って厚生省と協議していきたいと考えています。
 また、保育所に関しては、老朽化が進んでいることや、待機児童がいることから、定員増も考慮に入れ、年次計画を立て厚生省と協議していきたいと考え
ており、申請を全て受け付けるということではなく、計画的に実施していきます。
 

  新焼却炉建設について

問
@新焼却炉の稼働予定を、平成14年4月から同年9月にした場合は、今年の12月議会での議決でも良いのではありませんか。
答 平成12年度までの国からの補助金は、建設費の2分の1ですが、平成13年度に延期になると13年度に繰り越した対象事業費の補助額が4分の1となります。
 また、3号炉のダイオキシン対策の改良工事も目前となり、平成14年12月まで改良工事を間に合わせるという綱渡り的なことになるので、新焼却炉は、平成14年3月の竣工を目指したいと考えています。
問
 ダイオキシン対策について、国で定めている基準値は0.1ナノグラムですが、他の自治体では0.01ナノグラム以下という数値を実績として出しており、より厳しい数値をシャフト式に求めないのですか。
答国の基準の0.1ナノグラムは、現在のダイオキシン対策として最高のレベルであり、秋田市としては0.1ナノグラムからスタートしたいと考えています。しかし、将来的にはより少なくしたいと思っており、設備の増設のスペースを確保することを今計画に盛り込んでいます。また、どの程度の設備を付加するかについては、実際に測定した結果を見てメーカーと話し合いをしていきます。
       
       ※1ナノグラムは1グラムの10億分の1 
問
 建設費について、秋田市の1次仕様から2次仕様において建設見積額が大幅に下がった会社がありますが、このような会社は信用できるのでしょうか。
答最初15機種を選んだ段階で各社から見積書を提出してもらい、国に整備計画を提出しましたが、補助を得るためには仕様が漠然としているので、2回目は6社に絞って見積書を提出してもらったものです。1回目と比較して2回目では、内部で精査した結果、大規模な温室への熱供給を取りやめたなど、秋田市の仕様がだいぶ固まってきたことから、それを受けた会社が自社の技術理念で改善し、さらに無駄を省くなど企業努力をした結果、見積額が下がったものです。
問
 機種選定について、市民の血税を1円たりとも無駄にせず、また、環境保全を第一義とするその行政責任を全うすると自信と確信を持って市民の前で言い切れますか。
答この機種は、自信を持って選んだものであり、ごみ処理においては、当然1日たりとも休むことなく、安全かつ確実に処理できると自信を持って市民に言えるものです。

教育産業

問
 市営バスの貸切事業は、観光部門が平成10年3月末をもって廃止されましたが、現在の貸切事業はどのような運行をしていますか。
答専用車両3両による高齢者いきいきふれあいバスのほか、大森山少年の家の宿泊研修や、陸上記録会などの学童輸送を行い、一般乗合車両の効率的な活用を図っています。

建設

問
 水道局の平成9年度の有収率は前年度より0.1ポイント上がって81.3%となっていますが、東北県庁所在市や、全国平均より有収率が低いのは、企業努力や設備の更新等が問題点となるのではないですか。
答 全国的に整備した年度により、かなり材質も異なりますが、秋田市では明治40年から給水を開始しているため、石綿セメント管や老朽管の問題があり、現在それらの整備を年次計画で行っています。特に管路近代化整備事業によって今年度旧市内が終了予定であり、引き続き整備を進めることにより、ある程度、有収率が回復してくると考えています。
 また、通常の漏水探査等を行うほか、平成10年度には約3千万円で専門業者に漏水調査を委託しています。
 ※有収率とは家庭等に送り出された水のうち、実際に使用され料金収入となった水の割   合。この率が低い場合には漏水防止の徹底などが必要です。

企業決算情報


請願・陳情の結果

採択

不採択

継続審査


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