岩礁
田口省吾 1897(明治30)- 1943(昭和18)
カテゴリー | 洋画 |
---|---|
制作年 | 1930年代 |
技法・材質 | 油彩・キャンバス |
寸法(cm) | H27.3×W22.0 |
受入年度 | 平05年度購入 |
1932(昭和7)年にパリ留学から帰国した後に手がけたと思われる本作では、真夏の太陽に明るく照らされた岩場がのびやかなタッチで描かれている。格好の遊び場にもなる岩場で魚や貝でも捕まえたのだろうか、獲物の入った袋を手に下げた子供の姿も見える。小さな画面の中に、空と海の青、雲と岩に当たる波しぶきの白、崖の上に生えた木々の緑、岩の茶といった色を用いて、決して複雑ではないがリアリスティックに海辺の風景が表されている。戦火に焼かれるなどして確認される田口作品が少ない中、その作風を知るうえで貴重な一点である。