岩に秋海棠と蛙図
小田野直武 1749(寛延02)- 1780(安永09)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 江戸時代(18世紀) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H129.0×W31.9 |
受入年度 | 平07年度購入 |
背景に藍を刷き、画面の三分の二を占める、枯木のような岩の左上から赤く色づく葉、中心やや下から秋海棠が見える。さらに視線を下げると、土坡に横向きの蛙が一匹描かれている。中国絵画において蛙は、不老長寿のシンボルとして絵画化されてきたが、横向きの作例は少ない。本作は中国や朝鮮由来の草虫画を、西洋由来の陰影表現を駆使して描いた意欲作である。1927(昭和2)年、県内有数の資産家で美術蒐集家の平野政吉が紋付き袴姿で当時の所有者であったドイツ人大使に「直武は私の同郷人だ。当然秋田に残るべき作品」と直談判し手に入れた。