眠る子(大曲市花館)
大野源二郎 1924(大正13)- 2023(令和05年)
カテゴリー | 写真 |
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制作年 | 1956(昭和31) |
技法・材質 | ゼラチンシルバープリント |
寸法(cm) | H31.0×W22.8 |
受入年度 | 平07年度寄贈 |
自らの郷土大曲、またその近隣の風土、風俗を撮り続けてきた。子供が入っているのはエズメ・イズメなどとも呼ばれるもので、藁で編んだものや、この作品に写されているような秋田杉を用いて作った桶型のものがある。農作業時には、このまま田圃の土手などにおかれ、作業の合間に母親が乳を与えたりする。農村では3,4歳頃まで入れておいた。
農村の暮らしを見つめ続けてきた作者の目には、エズメもまたそうした暮らしを象徴するものの一つとして映ったに違いない。エズメの中で丸くなって眠る子は何を夢見ているのか。そこに農村の行く末を案じる作者の気持ちも重なって見えてくるようである。作者は郷土大曲の農村を中心に、その移りゆく姿を記録し続けた。