獅子図
平福百穂 1877(明治10)- 1933(昭和08)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | c.1915(大正4頃) |
技法・材質 | 紙本墨画金彩 |
寸法(cm) | 各H172.0×W379.0 |
受入年度 | 平10年度購入 |
本作に描かれるのは雌雄一対のライオン。百穂が1914(大正3)年の第8回文展に出品した「七面鳥」で高く評価された、無背景の画面にモチーフをたらしこみの技法を駆使して描き出すという新たな表現が、本作にも毛並みや筋肉の隆起など的確に用いられている。たてがみやひげなど顔の部分は、墨と金泥の細線を重ねて表現することでその表情を写している。画面の余白は、二頭の姿を浮かび上がらせ、雌雄の視線が交錯する場面の緊張感を演出する。ライオンの体躯のところどころにも金泥を用いるなど、大胆な表現に至るまでの緻密な計算を感じさせる。