カンナの絵
廣幡憲 1911(明治44)- 1948(昭和23)
カテゴリー | 洋画 |
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制作年 | c.1937(昭和12頃) |
技法・材質 | 油彩・キャンバス |
寸法(cm) | H91.0×W65.8 |
受入年度 | 平10年度購入 |
1937(昭和12)年、秋田市の平野政吉邸で大壁画を描き終えて帰京した藤田嗣治を追い、廣幡は再上京した。東京では、藤田とは別に東郷青児のもとに通っていた。対象を人体を思わせる柔らかなフォルムでとらえ、さらに、グラデーションをかけた色彩によって、奥行きと肉厚感を描き出している。こうした捕らえ方は、未来派や立体派を独自に消化した東郷青児に学んだものと考えられる。また、背景や花・花茎に塗り込まれた白が、幻想的なニュアンスを醸し出している。鬱蒼とした繁みの中で咲くカンナの花は、生命体の持つ独特の匂いを発散している。