カルシナシオン
廣幡憲 1911(明治44)- 1948(昭和23)
カテゴリー | 洋画 |
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制作年 | 1937(昭和12) |
技法・材質 | 油彩・キャンバス |
寸法(cm) | H90.5×W73.0 |
受入年度 | 平14年度購入 |
平野政吉邸で壁画「秋田の行事」制作中の藤田嗣治の助手をした廣幡は、美術への思いを再燃させ、1937(昭和12)年藤田の後を追って上京し、「山小屋」で二科展初入選を果たす。同年に制作された本作は、前衛的な抽象表現を追究する3グループの合同展「黒色・新現実・白蠻同時展」に出品された。石灰化を意味するタイトルのとおり、やわらかな筆跡が残る白い背景に、黒、グレー、水色、赤、ピンクなどの色がキュビスム的な構成で配置されている。日本で抽象表現が本格的な展開を見せ始めた時期の作品であり、先駆者の一人としての力量がうかがえる。