勿来の関
平福百穂 1877(明治10)- 1933(昭和08)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | c.1895(明治28頃) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H124.0×W55.3 |
受入年度 | 平19年度購入 |
若き百穂が、歴史画の流行時代に描いたのが本作である。画題は、陸奥守・源頼義の子で武芸にすぐれ、和歌にも長じた源義家が、後三年の役で清原武衡を倒し奥州下向の折、勿来関(福島県いわき市)を通った際に詠じた歌「吹く風を 勿来の関と 思えども 道もせに散る 山桜かな 」(『千載集』)が典拠である。勿来の関を馬で通りすぎる義家が散り来る桜花を仰ぐ姿が定型で、本作もその基本に則っている。本作は馬が走りだそうとするそぶりを見せ、義家自身も手綱と弓を握るなど、戦場の緊張感が表現されているようだ。