佐竹曙山 写生帖
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 1786(天明6) |
技法・材質 | 紙本着色、絹本着色 |
寸法(cm) | 各H34.0×W26.3 |
受入年度 | 平01年度購入 |
全3冊のうち第1冊は「龍亀昆虫写生帖」と称され、トカゲの標本や亀、蛙のほか約400点の虫類写生図を収める。第2・3冊は「模写並写生帖」と称され、それぞれ19点の植物写生図、27点の鳥類写生図を収める。これら3冊は同時代に制作された多くの大名家図譜のように博物画帖としての性格をもつ。曙山の命により、家臣で画家である田代忠国によってまとめられ、1786(天明6)年に完成した。
特筆されるのは、第2冊冒頭に記された二つの画論「画法綱領」「画図理解」であり、透視図法の説明図などを加え、1778(安永7)年に曙山の自署により写実絵画を重視する所信が記された、日本初の西洋画論である。
陰影を加えて精密に描かれた写生図の多くは、直武の手によると考えられる。直武や曙山、忠国の作品に転用されている図もあり、秋田蘭画の研究において極めて重要な資料となっている。