王陽明
寺崎廣業 1866(慶応02)- 1919(大正08)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 1903(明治36) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H196.1×W115.6 |
受入年度 | 平19年度購入 |
王陽明は、明代中期の文人で陽明学の開祖。悪政を批判して貴州の竜場へ左遷され、その地で「心即理」を根本原理とする思想を打ち立てた。『伝集録』にはその非凡な才能をもの語る様々なエピソードが記されている。本作で描かれるのは、竜場へ向かう道中の王陽明が山中の寺に宿泊を断られ、虎の出没する野廟で一夜を明かす場面である。陽明が虎の餌食になったものと思い、夜明けに懐の財布を巻き上げようとやってきた寺僧は、何事もなく眠っている姿を発見して驚愕する。朝霧が立ち込める深淵な竹林を背景に、悠然と眠り続ける陽明と恐る恐る近づく寺僧の心情を対比させ描いている。第12回日本絵画協会・第7回日本美術院連合絵画共進会銀章受章作。