菊と秋海棠図
田代忠国 1757(宝暦7)- 1830(文政13)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 江戸時代(18世紀) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H85.1×W32.0 |
受入年度 | 平22年度購入 |
大輪の白菊に紫苑、秋海棠と秋の花を生けた銅製の花器が置かれている。菊は花弁一枚一枚を白い絵具・胡粉の細線でくくり、中心から濃い黄色をぼかして立体感を表現している。直武の「秋菊図」や「佐竹曙山 写生帖」に共通の図があり、それらをもとに描かれたと思われる。画面の上から青色をぼかす空間の奥行きの表現と、床に落ちる影による現実感の表現なども直武作品から継承したものだ。モチーフ全体に施された裏彩色は、菊の葉では粒子の大きい緑青に黒い顔料を混ぜて変化をつけ、裏葉は白緑、その他二種の葉も白緑である。表側はすべてプルシアンブルーの濃淡で表情をつけており、裏彩色の違いで異なる緑を表現する工夫がみられる。