花鳥図
三木文柳 1716(享保1)- 1799(寛政11)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 1783(天明3) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | 各H122.9×W33.1 |
受入年度 | 平25年度購入 |
華やかな鳥や植物が画面を彩る本作は、背景に青を刷いて空間の奥行きを表現するなど南蘋派の特徴がみられる。しかしながらモチーフ個々の再現性をねらった緻密な彩色は、博物図譜のそれに近い。孔雀の飾り羽はハート型の鮮やかな群青を緑青でくくり、金の細線で覆う。輝きを与えるためか、この部分には銀粉で裏彩色を施している。胴体は茶色の裏彩色に青、臙脂、金をぼかすように重ね、柔らかな質感と光沢をもつ独特な色を再現する。高麗ウグイスの黄金色ともいわれる鮮やかな黄色い羽はガンボージに朱を重ね、枝をつかむ青い足は盛り上げた胡粉に透明感のある青をかけて表している。文柳が高松松平家伝来の博物図譜『衆鱗図』『衆芳画譜』などの作者であることを十分にうかがわせる作品である。