河床
伊藤隆 1947(昭和22)-
カテゴリー | 洋画 |
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制作年 | 1988(昭和63) |
技法・材質 | 油彩、テンペラ・キャンバス |
寸法(cm) | H162.0×W194.0 |
受入年度 | 平27年度寄贈 |
伊藤は画業の初期から荒涼とした土地と構造物の組み合わせを主要なテーマとしてきた。本作では、冬枯れの河床にぽっかりと空いた大きな穴が描かれている。冷たい雪景色の中に突如として現れた穴は、深い没落感と喪失感を示す。雪や穴の側面、樹木など、さまざまな物質の描き分けは伊藤が得意とするところだ。消波ブロックや枯れ草など、細かな線による表現にはテンペラが用いられている。画面に漂う寒冷地特有の冷たく、張り詰めた空気感は、当時弘前市に居住していた実体験から来るものであり、心象風景ながら現実感をもって伝わる。1988(昭和63)年第62回国展出品作。