雨龍図
伊藤若冲 1716(正徳06)- 1800(寛政12)
カテゴリー | 日本画 |
---|---|
制作年 | 1760年代前半 |
技法・材質 | 紙本墨画 |
寸法(cm) | H130.5×W53.0 |
受入年度 | 平29年度購入 |
画面のほぼ中心に頭を据え、身体はそこから右上へ大きくカーブし、一度画面からはみ出し、再び右下から現れる。正面を向く龍の瞳は天を向き、そのひょうきんな表情が印象的である。龍の角や髭には墨がかすれるほど勢いある筆遣いで、背と腹の間は墨の濃淡で分けている。さらに体表の鱗は、吸水性の強い画箋紙が持つ隣接した墨面同士が混ざり合わず、その境界が白っぽい線になるという性質を活用した、若冲得意の表現である。濃密な色彩の絵画とは異なる、若冲のより自由な造形を見ることができる。