岩に牡丹図
佐竹曙山 1748(寛延01)- 1785(天明05)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 江戸時代(18世紀) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H159.7×W53.3 |
受入年度 | 平30年度購入 |
鮮烈な青色の太湖石の背後から顔を出す紅牡丹。緩やかに延びた枝の先には青みがかった白牡丹が優雅に大輪の花を咲かせ、その香に誘われるように二羽の蝶が舞い寄る。富貴を象徴する牡丹、長寿を意味する太湖石と蝶の組み合わせは、古くから描き継がれた画題である。一隅を照らす光が深い陰影を与え、足元に延びる影がいっそうの実在感を感じさせ、斬新な色遣いと相まって画面には幻想的な雰囲気が漂う。上部に輪王寺宮公遵法親王の寄せた賛があり、「寫来真国艶/蜂蝶誤為香/延場二旬賞/萬春画裡長」と、その真に迫る写実描写への驚きを表している。輪王寺宮は東叡山寛永寺の住職で、代々出家した親王が就任した。明風の詩文の世界を謳歌し、詩人や書家、画家たちと交遊し、雅な京の文化を江戸にもたらした公遵法親王との交流を示す貴重な作品である。