蝦蟇仙人図
佐竹曙山 1748(寛延01)- 1785(天明05)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 江戸時代(18世紀) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H125.0×W40.0 |
受入年度 | 平30年度購入 |
蝦蟇仙人は三本足の蝦蟇を操り妖術を使う仙人。本作は顔輝の名作「蝦蟇鉄拐図」を基に独自の改変を加えた作品である。脛や腕には筋肉が盛り上がり、足の甲には腱や静脈まで見える。目の描写では、白目に薄い青色を掛けて透明感を表し、毛細血管までが描かれる。細部まで、さながら解剖図のように写実に徹する姿勢がうかがえる。緑色がかった土気色の肌、蝦蟇が吐く黄色い煙、足下に転がる鮮やかな橙色の柿の実などの色遣いにより、妖気に満ちた異界の雰囲気が感じられる。屈曲して空へと伸びる松の枝、螺旋状にのぼる煙のユニークな形状には、空の高さ、空間の奥行きを表現しようとする意図もあるのだろう。想像の世界に現実感を盛り込み、見る人を驚かせようという、曙山の遊び心が随所に感じられる。