大石良雄
寺崎廣業 1866(慶応02)- 1919(大正08)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 1901(明治34) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | 各H123.5×W55.2 |
受入年度 | 令02年度購入 |
明治30年代の廣業は、岡倉天心のもと歴史画題での情感表現に取り組んだ。本作に描かれるのは、江戸中期の赤穂事件で47人の赤穂浪士を率いた大石良雄(内蔵助)である。京の山科で遊郭通いをしていた大石は、江戸への下向直前に酔って置屋笹屋清右衛門の二階座敷で炬燵に上がり、格天井に自嘲と決意がにじむ一文を書いたというエピソードが伝わる。双幅の画面に人物を大きくとらえ、顔貌に陰影を加えて鋭い眼差しにこもる決意の表情を表す。「格天井の落書き」はあえて描かずに見る者に想像させている。1910(明治43)年に代表作による回顧展が開催され、本作はその内の優品を紹介する画集『廣業集』に載る。第10回日本絵画協会・第5回日本美術院連合絵画展覧会出品作に同名作品があり、これにあたると推測される。