雲煙山水図
谷文晁 1763(宝暦13)- 1840(天保11)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 1794(寛政6) |
技法・材質 | 紙本墨画 |
寸法(cm) | H112.3×W34.3 |
受入年度 | 令02年度寄贈 |
画面右上「甲寅春日寫於寫山楼 文晁」の款記より1794(寛政6)年の制作である。この年、文晁は定信の入封に従い白河へ同行している。画面左上の賛は、中国北宋時代・蘇軾による廬山を詠った詩を元に記されている。賛者の関其寧は浜名家の次男として生まれ、その後土浦藩士・関思恭の養子となった。卓越した筆力をもち、あらゆる書体を自在に書き分けたという。廬山の煙雨と浙江の潮は中国の二大奇観とされ、多くの文人墨客が一度訪ねたいと願う憧れの地であったという。水墨の濃淡、にじみを活かして険しい山の峰、湿度の高い空気を見事に表現している。1792(寛政4)年夏、文晁が其寧の肖像を描いたと菊池五山『五山堂詩話(巻5)』に記されている。