河口湖富士真景図
谷文晁 1763(宝暦13)- 1840(天保11)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 1795(寛政7) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H54.5×W94.5 |
受入年度 | 令02年度寄贈 |
墨の濃淡で巧みに山襞の立体感を表し、絵絹の地を白く残して山裾に雲が湧き上がる富士の姿を河口湖越しに描く。かつて旅した甲斐での写生に基づき、湖畔の山々の連なりを俯瞰した視点で描き、水平視で捉えた富士の高さを印象づける。陽光に輝く頂には鮮やかな群青を重ね、神々しい姿を象徴的に表している。款記によれば、文晁は富士山頂の雪解け水で墨を擦り本作を描いた。江戸時代後期には富士山の一部を絵の中に取り込みそのものに近づけようと、この清らかな水で富士を描くことが流行した。「富士の画家」の名に値する臨場感に富んだ真景図である。