金碧山水図
谷文晁 1763(宝暦13)- 1840(天保11)
カテゴリー | 日本画 |
---|---|
制作年 | 1803(享和3) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H130.8×W55.1 |
受入年度 | 令02年度寄贈 |
寛政期の爽快な水墨画風に対して、寛政末頃からの文晁は金、碧(群青、緑青)といった鮮やかに発色する顔料を多用した絢爛な色彩の金碧山水図も描いている。そそり立つ岩山の向こうにも遠山が連なる本作の図様は、『芥子園画伝』初集巻三「山石譜」の一図からとったものだ。緑青、群青の彩色は決して厚くなく濃淡の調子があり、金泥線を皴に添って引き墨線をその影のように見せて、空間の奥行きや岩山の量塊感、岩肌の凹凸を表現している。元来は非現実的な装飾性に特徴がある金碧山水と西洋の陰影法を融合させた新たな表現により、自然の生命力をも感じさせる優品である。