肖像の主題による作品
馬場彬 1932(昭和07)- 2000(平成12)
カテゴリー | 洋画 |
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制作年 | 1960(昭和35) |
技法・材質 | 油彩・キャンバス |
寸法(cm) | H162.1×W130.3 |
受入年度 | 令02年度寄贈 |
1960年代前半の馬場の画面は、絵具を何度も塗り重ねた厚塗りのマチエールが特徴で、シンプルな造形ながら深い精神性を感じさせる。馬場は1955(昭和30)年から60年頃までを「第一次模索の時代」と呼び、「ゼロの時点」を目指し、プラスのイメージからの引き算に挑んだという。本作でも色や形を抑制し、厚塗りのグレーの背景に茶色で縁取られた暗色の塊が鎮座する。互いの鮮やかさを打ち消すように、深い紫と緑が混ざり合うこの肖像は、理想とする表現を求め葛藤する馬場自身ともとれる。1960年第12回読売アンデパンダン展出品作。