トルソ・メタフィジック
馬場彬 1932(昭和07)- 2000(平成12)
カテゴリー | 洋画 |
---|---|
制作年 | 1969(昭和44) |
技法・材質 | 油彩・キャンバス |
寸法(cm) | H130.0×W130.0 |
受入年度 | 令02年度寄贈 |
1966(昭和41)年頃から制作された「トルソ・メタフィジック」シリーズの一点。和訳すると「形而上学的胴体」の意で、馬場は人体を思わせるエロティックな表現により事物の本質や存在の根本原理を探求した。馬場のエロチシズムの世界では、性や生命にまつわる表現がユーモラスに表現される。本作では臀部のようにも見える形象が向かい合って配されている。背景となるグレーの空間は、タナトス(死の本能)の世界をあらわし、一つの画面で生と死の対極構造を示す。色も形も抑制した禁欲的な馬場の画面に現れる官能的なモチーフは何とも逆説的である。