児童愛犬図
小田野直武 1749(寛延02)- 1780(安永09)
カテゴリー | 日本画 |
---|---|
制作年 | 江戸時代(18世紀) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H41.4×W63.9 |
受入年度 | 昭36年度寄贈 |
円窓の中に明快な色彩で唐子と洋犬を描く。子どもの顔は、柔らかい肌の色を絵絹の裏から塗った白い胡粉で表す裏彩色に、表側では褐色の絵具で輪郭をぼかすように陰影を加え、自然な丸みと立体感を表している。犬の毛とその背に掛けられた布は、濃厚な褐色に白や黄色の絵具でハイライトを加え、光沢のある質感を表現している。犬の足を窓の縁から手前に飛び出すように描くのは、西洋の肖像画によく見られる臨場感を高める手法で、直武自身が所持していた銅版画やライレッセの『大画法書』などから学んだと考えられる。東西の絵画技法を駆使して画面に実在感をもたらそうとする画期的な作品である。