墨堤観桜図
平福穂庵 1844(天保15)- 1890(明治23)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | c.1886-88(明治19-21頃) |
技法・材質 | 紙本着色 |
寸法(cm) | H101.0×W273.4 |
受入年度 | 昭41年度寄贈 |
東京・隅田川沿いの土手(墨堤)の桜は、徳川四代将軍家綱の時には植えられ、その後八代将軍吉宗が隅田川東岸にさらに桜を増やしたことで花見の名所となった。本作は、1886(明治19)年から約三年間東京で活動していた時に描いたと考えられる。前景に大きく桜の木、中景には行き交う人々、遠景に川をゆく舟と奥行きの表現に工夫がこらされている。上京後の穂庵は渡邊省亭や松本楓湖などの中央画壇の画家たちとも交流を深めていたようで、楓湖の師である菊池容斎「向島花見図」に見る遠近感の表現、淡い色彩による花見の風趣が通じる。