紅蓮図
佐竹曙山 1748(寛延01)- 1785(天明05)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 1778-79(安永7-8) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H90.0×W30.1 |
受入年度 | 昭36年度寄贈 |
縦長の画面いっぱいに茎をのばした蓮を描く。同様の作品が直武にもあり、それを手本として描かれたと考えられる。曙山の関心は蓮の葉の立体感と光沢のある質感の再現にあるようで、従来からの藍に代えてプルシアンブルーを使い、黄色と合わせた深い緑色の濃淡により表現している。淡紅色の花は胡粉に臙脂をぼかした南蘋風の写生画法により量感を表す。銅版画風のごく細い墨線で水面に映る茎の影を描いて実在感を表し、淡墨をぼかすことで空間の奥行きを表現している。本作は、1779(安永8)年に家臣の小野崎市左衛門が拝領していることから、洋風画法を学び始めた初期の作品とわかる。