呼吸
岡田謙三 1902(明治35)- 1982(昭和57)
カテゴリー | 洋画 |
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制作年 | 1959(昭和34) |
技法・材質 | 油彩・キャンバス |
寸法(cm) | H165.3×W215.9 |
受入年度 | 昭62年度購入 |
1950年代のアメリカで盛んだったアクションペインティングは描く行為自体が重視されたが、岡田の抽象画は繊細なマチエールと趣のある色彩が生む東洋的な静寂に関心が寄せられた。西洋人と比較し、東洋人の方が深く長いとされる「呼吸」は、東洋の伝統である気の概念とも深く結びつくほか、武術や能の修練や仏教の瞑想などにおいても重視される。本作に見られる淡く静かな色の重なりからは、落ち着いた呼吸と安定した心が感じられる。ある種の緊張感を生んでいる中央の「一」の字のように書道の筆跡を模した表現は、50年代後半に多く用いられた。