雀小屋
高橋萬年 1897(明治30)- 1956(昭和31)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 1926(大正15) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H179.0×W198.5 |
受入年度 | 昭62年度購入 |
秋、刈り入れ前の重たい稲穂を下げた田んぼのなかに立つ雀小屋。そこで一人の少女がうつろな表情で休息している。昭和中頃まで、子供たちが雀小屋で缶を叩いて雀追いの番をする光景は日常であった。当時の萬年は土田麦僊や榊原紫峰らを擁する国画創作協会の作品群から刺激を受けていた。本作でも少女の後ろにかかる筵の網目や稲穂の一粒、少女の風に揺れる髪の毛の一本まで細密に描く一方で、モチーフの輪郭をぼかす表現を用いている。大正期の日本画壇の儚くも甘美な雰囲気を色濃く反映した一点である。