孔雀
谷文晁 1763(宝暦13)- 1840(天保11)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 1815(文化12) |
技法・材質 | 絹本墨画 |
寸法(cm) | H161.5×W84.3 |
受入年度 | 昭63年度寄贈 |
岩上で豪華な飾り羽を広げようとする雄と、岩陰から頭を出し今まさにカマキリをついばもうとする雌。つがいの孔雀を画面の上下に配し、周囲に大きく海棠が枝を広げる華やかな作品である。一部に金泥を用い、墨の濃淡を活かした軽快な筆致により、孔雀の豊かな羽根の重なりや岩の量塊感を表現している。文晁は1794(寛政6)年、松平定信の入封に従って白河に赴き、8月には塩竃の小池曲江を訪ねている。江戸で南蘋派の松林山人に学んだ曲江が、ちょうどこの頃描いた墨画の「孔雀図」が伝わる。本作の図様はこれと近似しており、文晁の制作はかなり後ではあるが、曲江作からの影響も考えられる。