泉声松韻
谷文晁 1763(宝暦13)- 1840(天保11)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 1799(寛政11) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H122.7×W55.0 |
受入年度 | 昭63年度寄贈 |
中国山水画を下地に置き、淡い筆線と淡い彩色で描いた、寛政期の文晁の典型的作例の一つ。画面左下方に、従者とともに山間を行く高士が描かれ、周囲には険しい岩山や滝が見える。手前の松樹には青々とした葉が茂って日差しを遮り、水の流れが響きわたって、山中のすがすがしい空気が伝わってくるようだ。高士の目指すところが中景に描かれた山中の家屋とすれば、行く道のりは遙かに遠い。前後には霞がたなびき、色調を落とした遠山が連なり、さらに深い奥行きが表現されている。高士の視線から見ると、いっそう高くそそり立って迫力がある。