上絵牡丹文秋田萬古急須
鈴木緑園 1856(安政03)- 1910(明治43)
カテゴリー | 工芸 |
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制作年 | 明治時代 |
技法・材質 | 陶器 |
寸法(cm) | 高7.0 長径9.0 胴径5.0 口径4.0 |
受入年度 | 昭63年度寄贈 |
秋田万古焼は、明治初め、秋田市保戸野の富豪佐伯孫三郎が開窯し、1887年頃まで続いた。緑園はその中心的な陶工として活躍したが、現存する作品はわずかである。
この作品は、手のひらにすっぽりと収まる小振りな急須で、素地は、紙のように薄く軽いが、鉄のようにしっかりとしたつくりである。木型による成形やつまみの装飾など、本場伊勢の万古焼の特徴を受け継いでいる。前面には、大輪の牡丹の花が色鮮やかに描かれ、華やかで、かつ凛とした品格をたたえ、見るものの目をうばう。さまざまな加飾を施しながら決して華美に流されず、緑園の陶工としての技量とセンスが凝縮された優品である。