乞食
岡田謙三 1902(明治35)- 1982(昭和57)
カテゴリー | 洋画 |
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制作年 | 1942(昭和17) |
技法・材質 | 油彩・キャンバス |
寸法(cm) | H128.7×W89.5 |
受入年度 | 平01年度寄贈 |
1942(昭和17)年春、知人の招待により、岡田はきみ夫人と共に満州へ2度目の写生旅行に出かけた。岡田は路上にいた中央の男性が、拾った物を体のあちこちにぶらさげている様子に興味を持ったという。肌や衣装、土などの質感が、繊細な筆遣いにより、写実的に表現されている。人物の表情や輪郭などの描写は非常に緻密で、当時近い位置にあった藤田嗣治の影響が色濃い。戦時中という世情が反映されたような茶系が中心の色調の画面だが、赤、青、緑など効果的に配された差し色から、本来は鮮やかな色を自由に使うことに長けた岡田の色彩感覚ものぞく。