詩人
岡田謙三 1902(明治35)- 1982(昭和57)
カテゴリー | 洋画 |
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制作年 | 1948(昭和23) |
技法・材質 | 油彩、キャンバス |
寸法(cm) | H237.5×W281.5 |
受入年度 | 平01年度寄贈 |
戦前から甘美な女性像で定評を得、画壇での地位を確立していた岡田だが、決してそこに安住していたわけではなかった。制作に行き詰まりを感じた心の内を、「日本にいて西欧のことを考える。西欧はどう動いているか気になる。そして仕事が追いつめられる」という言葉で語り、渡米の決意を抱きながら、作風にも徐々に変化を見せ始める。人体の形態を整理し単純化して描いた「シルク」(1947年)から、「詩人」ではさらに形態・色彩ともに整理がなされ、抽象化していく。徹底して塗り込めた背景は複雑な色合いを呈し、簡潔な線のみで描いた人物が、その無限の空間に浮かび上がる印象的な作品である。