四季
岡田謙三 1902(明治35)- 1982(昭和57)
カテゴリー | 洋画 |
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制作年 | c.1970(昭和45頃) |
技法・材質 | 油彩・キャンバス |
寸法(cm) | H196.0×W130.3 |
受入年度 | 平01年度寄贈 |
岡田の抽象画を目にした篠田桃紅は「三十六人歌集」に例えた。色面の一つ一つで質感の異なる岡田の画面は、紙をいろいろな形で切り継ぐ平安の料紙装飾に通ずる。当初岡田は「三十六人歌集」の存在も知らなかったが、その後は積極的に日本の古美術研究に取り組んだという。本作では、扇や山、花、冬枯れの枝を思わせる線など、日本的な季節の変遷をイメージさせる自然の形象が見える。非常に多くの色が使われているが、隣り合う色との色調のバランスと色面の分量が絶妙に一体化し、日本の四季の移ろいが表されている。岡田の色彩感覚が詰め込まれた一枚である。