燕子花にナイフ図
佐竹曙山 1748(寛延01)- 1785(天明05)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 江戸時代(18世紀) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H112.1×W40.3 |
受入年度 | 平01年度購入 |
金属製の花器に生けた燕子花を描く。伝統的な立花図の系統を引きながらも、蘭癖大名にふさわしい西洋の刃物を添え、斜めに配して奥行き表現をとっているところに、オランダの静物画を見るような新しさがある。鋭い刃物のように伸びた葉と、鈍い輝きを放つナイフが呼応して、背景を青くぼかした画面に独特の緊張感がただよう。花弁の紫色は、粒子の細かいプルシアンブルーを薄く溶き、染料系の絵具・臙脂と合わせたものだ。透明感のあるこの紫色の濃淡によって、花弁の立体感やビロードのようにしっとりした質感が繊細に表現されている。