円窓美人図
藤氏憲承
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 江戸時代(18世紀) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H97.2×W36.1 |
受入年度 | 平01年度購入 |
丸い窓から身を乗り出し、一羽の蝶を見つめる女性。高く結った髪、整った顔立ち、繊細な指、細腰のしなやかな姿態で、女性の美しさを表現している。傍らの朱漆の卓や帙入りの書冊など文房の小道具からは、中国文化の香り高いイメージも伝わる。本作は田代忠国の同題作品に基づくが、窓から前に突き出すような描き方は小田野直武の「児童愛犬図」などにも見られる。絵の中に手前から奥へと三層の空間を重ねて奥行を表現するだまし絵風の効果をねらい、17世紀オランダ絵画で多用された構図である。また、本作にもプルシアンブルーの使用が確認されていることから、単なる模写ではなく直武から忠国、憲承へとモチーフや構図、描画法が継承されていることがわかる。