秋田市立千秋美術館 収蔵品データベース

解想の浜

信太金昌 1920(大正09)- 2015(平成27)

カテゴリー日本画 
制作年1986(昭和61)
技法・材質紙本着色
寸法(cm)H159.9×W225.0
受入年度平01年度購入

 北辺の地礼文島の沖に浮かぶ海馬島。作者はこの地を何度か訪ね、制作にあたったという。住む人もなく、厳しい自然環境にあっても、季節はめぐり草花が可憐に咲き乱れる。かつて共に訪れた亡き妻の面影をふと思い出しながら、妻が花を摘んだ草原を上空に描き入れた。作者は風景に接し、音や匂いなどその場で感じた様々な感覚からインスピレーションを得て、一つの画面を作り上げていくという。現実にはない、心に映る幻想の風景である。朱に染まった空には、一人海辺にたたずむ作者の痛切なほどの寂寥感が表されている。

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