笹に白兎図
小田野直武 1749(寛延02)- 1780(安永09)
カテゴリー | 日本画 |
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制作年 | 江戸時代(18世紀) |
技法・材質 | 絹本着色 |
寸法(cm) | H100.1×W32.5 |
受入年度 | 平02年度購入 |
熊笹の下、背中を丸めてひそむ白兎を描く。東洋の伝統的な花鳥画の構図であるが、背景には藍を引いている。白兎は、胡粉をやや盛り上げながら、毛の一本一本まで線描きされ、体には陰影を施して立体感が表現されているが、全体的に堅さが残る印象である。兎の背に熊笹の影を描きこみ、土坡にも兎の頭によってできる影を描くなど、陰影の意識的な表現が見られる。土坡の手前をよくみると草が生えている様子が銅版画風に表現されており、「獅子図」と同じく、『動物図譜』に強い影響を受けた比較的初期の作品である。