月映
伊藤博次 1919(大正08)- 1999(平成11)
カテゴリー | 洋画 |
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制作年 | 1952(昭和27) |
技法・材質 | 油彩・キャンバス |
寸法(cm) | H97.0×W162.1 |
受入年度 | 平03年度寄贈 |
1952(昭和27)年春、秋田市での二科展開催に尽力した伊藤は、来秋した東郷青児らの知遇を得て、本格的に制作活動を開始した。同年秋の第37回二科展に本作を初出品し、初入選を果たす。出品前に東郷に作品を見せたところ、少年のセーターの黄色を落とすように指導され、3日ほど東郷のアトリエに通い、修正を加えたという。尖塔と時計台のある建物を見下ろす高台で、煌々とした月光を浴びながら笛を吹く少年と、静かにその音色を聴く少女。月明かりと音色が溶け出したような、メルヘンの世界が広がる。形態と色彩がしっとりと調和した伊藤の代表作である。